この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
通勤電車に乗車中、前に立っていた女性の臀部に手が触れてしまったことで、逮捕、勾留されたケースです。逮捕直後にご依頼があり、受任しました。
解決への流れ
警察署接見室で依頼者様からお話を伺ったところ、会社員をされていること、会社で重要なプロジェクトを任されており仕事に穴を空けることができないこと、女性の臀部に手が触れたことは事実ですが、わざと触れたわけではないということ、前科前歴がないこと等がわかりました。また、依頼者様には、わざと触ったわけではないが、結果的に女性に不快な思いをさせてしまった点については謝罪したいとのご意向があることがわかりました。前科前歴がないことから被害者と示談を成立させることができれば、不起訴処分にできる見込みがあることから、示談交渉を視野に入れつつ、まずは裁判官の出した勾留決定を取り消させ、早期の釈放を目指すことにしました。勾留決定に対する準抗告(不服申立てのこと)を申し立てるにあたり、ご両親含むご親族や知人等で身元引受人をできる方がいらっしゃらなかったのですが、職場上司の方と連絡をとり、依頼者様の勤務中については上司の方が監督する旨の供述録取書を作成したりし、証拠隠滅や逃亡の危険がないことを主張しました。職場上司の方から、依頼者様が担当しているプロジェクトのスケジュールに関する資料をいただき、勾留の必要性がないことを主張しました。結果、準抗告が認容され、依頼者様は釈放されました。
否認事件の場合、自白事件と比較すると、勾留がされやすく、裁判所の準抗告審での判断も渋くなりやすいものです。否認事件であり、身元引受人のいなかったケースですが、諦めずに、考えられる弁護活動をすることが重要なのであると、改めて実感したケースでした。