この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
消費者金融系を中心に借入をしていた方で、毎月の返済に困ってしまい、借りたお金で返す状況に陥った段階でご依頼をいただき、収入状況や債務額から自己破産を選択することになりました。
解決への流れ
当初は、管財事件となるような特筆して問題視すべき事情もなかったことから、同時廃止事件を前提に進めましたが、自己破産に向けて資料をご持参いただくと、そこには多数の宝くじなどの購入履歴が記載されていました。そのため、このままでは免責調査型の管財事件になることが予想されました。そこで、自己破産に関して提出する資料を細やかに精査し、裁判所がわずかな疑念を抱く恐れがあれば説明するようにし、宝くじ等の点についても、積極的に説明をすることで、それ以上免責に関しての調査を要しないように心がけ資料を作成しました。その結果、管財事件ではなく同時廃止事件となり、破産手続に要する期間を短縮し、速やかに再スタートを切ることができました。
個人の破産手続においては、最終的な目標は、負債(税金など一部を除く)をゼロにして再スタートを切ることにあります。ですが、法律は、自己破産を申し立てれば、誰でも負債をゼロにするという形にはなっておらず、免責不許可事由として記載される事実がある場合には、負債がゼロにならない可能性がありえます。そして免責不許可事由には「浪費又は賭博その他の射光行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」との記載があり、宝くじなどの購入が多い場合にはこれに当たる可能性が考えられます。そのため、この場合には、この事由に当たるか当たらないかを調査するために管財事件になることが少なくありません。ただ、宝くじなどがあれば全て管財事件になるわけではなく、事情を丁寧に説明することで同時廃止事件として処理してもらえる可能性もあります。私としては、管財事件となることがやむを得ない事件もありますが、それでも極力そうならないようにどの事件もできるだけ丁寧な申し立てを意識して取り組んでいます。