この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
外国から営利目的で覚せい剤を輸入しようとしたという被疑事実で逮捕・勾留された段階で私が担当することになりました。
解決への流れ
依頼者の言い分は、最初の接見時から一貫して「自分は目的物の中身は金(きん)だと聞かされておりそう思っていた。覚せい剤とは全く思っていなかった。」というものでした。共同で担当したもう一人の弁護士と営利目的覚せい剤輸入罪の故意を争うという方針の下、約半年にわたり準備を重ねました。裁判員裁判の結果、覚せい剤輸入罪の故意は否定され、本人の言い分通り目的物を金(きん)とする限度での関税法違反の罪のみ成立し、執行猶与付きの判決を得ました。
認めている限度では有罪判決を受けたため、完全無罪ではありませんが、本人の主張がほぼ受け入れられ縮小認定(=検察官の主張する事実の主たる部分が認定されず、一部のみ認定されること)になったケースです。本人の主張に沿う客観的な証拠がある一方で、覚せい剤輸入の故意があったと認めるに足りる証拠はなかったことが決め手となりました。検察官からの控訴もなされず、確定しました。